日本とは違う制作工程


日本のマンガは一人のマンガ家が自分の手でストーリー、下書き、ペン入れ、場合によっては彩色などを行います。
しかし、アメリカンコミックスはこの各工程をそれぞれ別の人間が行う「分業制」をとっています。
ストーリーを考える人をライター、下書きを行う人をペンシラー、ペン入れをする人をインカー、彩色をする人をカラリストと呼びます。
さらにアメコミではフキダシの台詞を手書きで書く場合が多いため、フキダシの台詞を入れるレタラーという人が存在します。
このように多くの人が関わってひとつのアメコミが作られていくのです。
さらにアメコミにおける主導権はほとんどの場合出版社が握っており、
作品は作家の意向よりも出版社の意向を尊重して展開します。
そのためアメコミではクロスオーバーやリランチといった日本ではあまりない企画を大胆に執り行う事ができるのです。
しかし、それに不満が募った作家陣と出版社の軋轢が絶えないのも事実です。
それによってマーベルコミックスから分裂したトッド・マクファーレンらが創設したのが
イメージコミックスだという経緯もあります。
しかし近年ではそういった仕事のいくつか、もしくはすべてを兼任するアーティストと呼ばれるタイプの作家も増えてきており、
作家たちによる、より自由な創作活動を行う事が可能になってきています。